ライシャワーの見た日本③

26/09/2019

 昨今の日本では、従来日本人が持っていた倫理観・美的感覚からは想像も出来ないような事態が頻発している。社会規範が或いは常識が、悲しい位に機能していないように思える。

 何が崩れていて、何に希望を求めれば良いのか、誰もが深刻に考えなければ日本社会は崩壊してしまう。

 日本人が劣化したと言われるが、何が劣化したのか、本来あるべき日本人像とは何なのか。駐米大使であったライシャワー博士の著書「ライシャワーの見た日本」から、終戦直後の日本人の行動様式が、米国人にどのように見えていたのか再確認したい。

 著書の目次に沿って、その要約と自分の考察を記すところである。

要約

第三部 日本人の性格

第六章 日本人と外部の世界

第三節 民族主義

 日本の民族主義は、神秘主義的民族の優越感(民族の神聖な起源と国土の神聖さ)で表現される。これは中国の大きさ、力、歴史、威信の優越性に対抗しようとして生み出されたものである。強い民族意識を持ったアジアの一国が十九世紀初頭に西洋に沿った近代化の速度という点で他の国を遥かに凌いだのも偶然ではない。孤立は日本人が他のいかなる民族以上に、世界の他の地域から離れて生活することを可能にした。外国との友好的な或いは好戦的な関係に於いて経験の少ないことを意味する。現代世界の国際的な大渦巻きに巻き込まれて、他の民族と付き合う手腕を殆どもたないことを示した。世界の多数の国家を向こうに回した破滅的な戦争をするはめになった。ドイツ人を除けば、世界の同胞から悪意を持たれた民族はなかった。海外から差別されずに再び貿易が出来るように、他民族の好意をどのような方法でかち得たらよいかを学ばなければならない。これを実行しなければ日本人は餓死するであろうからである。


自分の考察

  国家神道は、世界からは受け入れられない。如何なる美名のもとにも創氏改名等という行為は他民族の存在を否定するものである。海外進出して同質化を求めては、同じ結果を招くことになる。

 敗戦後の復興、エコノミックアニマル、そして現在の経済的敗戦状況にある日本。明治元年に明治政府の示した五箇条の御誓文まで立ち位置を戻さなければならない。鎖国していた国が、俄に斯様な宣言をしたのである。

 餓死しないためには、原発廃止・食料自給率の向上しかないではないか。万機公論に決すべしは、何処へ行ってしまったのか。戦争は付き詰まるところ、石油資源の分捕り合戦である。自然エネルギーに依存出来るのであれば、殆ど問題は解決する。喫煙撲滅等、些末なことに拘っている時間はないはずである。

 「万機公論に決すべし」を実現するには、自分の頭で考え、議論することである。

五箇条の御誓文(明治元年)

■広く会議を興し、万機公論に決すべし。

■上下心を一にして、さかんに経綸を行うべし。

■官武一途庶民にいたるまで、おのおのその志を遂げ、人心をして倦まざらしめんことを要す。

■旧来の陋習を破り、天地の公道に基づくべし。

■智識を世界に求め、大いに皇基を振起すべし。


 ご意見等頂ければ、有り難く存じます。

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