ライシャワーの見た日本②

25/09/2019

 昨今の日本では、従来日本人が持っていた倫理観・美的感覚からは想像も出来ないような事態が頻発している。社会規範が或いは常識が、悲しい位に機能していないように思える。

 何が崩れていて、何に希望を求めれば良いのか、誰もが深刻に考えなければ日本社会は崩壊してしまう。

 日本人が劣化したと言われるが、何が劣化したのか、本来あるべき日本人像とは何なのか。駐米大使であったライシャワー博士の著書「ライシャワーの見た日本」から、終戦直後の日本人の行動様式が、米国人にどのように見えていたのか再確認したい。

 著書の目次に沿って、その要約と自分の考察を記すところである。

要約

第三部 日本人の性格

第六章 日本人と外部の世界

第二節 民族的自意識

 日本人の自意識には、当惑と劣等への恐怖が含まれている。文明の故国と認められた中国と後進的で小さい日本の日本と中国の対照によって強められている。外国人が述べる意見に病的な関心を示す。日本人はその歴史上、外部の文明に対する卑下を示す時期と高慢な文化的孤立や無遠慮を交互に表す。日本人は、何処かにある国に追いつこうと懸命になるか、納得してくれない世界に自分の優越性を示そうと奮起する。国内で生活していても、世界の目が日本人の上に注がれていると感じている。このことは、中国人と鋭い対照をなしている、中国人にとって「中央の国」中国は常に文明の中心なのである。日本人が問題を他民族の観点から見ることが出来ないのも、その自意識に起因している。日本人はアジアに対する日本の支配権が正当であり、実現可能であるという信念を持った。八年にわたる中国との戦争も、日本の成功続けば中国の抵抗は崩壊するという誤った期待のもとに行われた。日本の精神力はアメリカの物質的優位性に勝つだろうと推論し、攻撃を開始した。この攻撃は日本の完全なる破壊までやり抜こうという決意をアメリカ人の間に生じさせた。


自分の考察

 バブル崩壊後の失われた30年は、まさに日本人から自信を失くさせた。軍事で敗北し、経済でも敗北しようとしている。「大和魂」に戻ることもJapan as No1と言われることも、もう無いであろう。古くなった経済モデルに縋り付いても破綻はもう目の前である。

 お上には楯突かず、陰口を言いながら、最後はお上が何とかしてくれると思っているのが日本人である。

 今日のお上が、何とかしてくれると思うのは思考停止そのものである。資本主義は物質的豊かさをもたらしたが、冷戦崩壊とともに分配機能は停止している。個々人が自ら考え新しい価値観を創造し、行動する。品格ある日本人を再設計すれば、それは出来る。世界から疎んじられる日本であってはならない。


 ご意見等頂ければ、有り難く存じます。

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